前回は取得時効でしたが今回は消滅時効のまとめです。
貸したお金等(債権)は取り立てをしないで一定期間経過して、
債務者に援用(利用)されてしまうと消えてしまうのが消滅時効です。
時効の期間
一般的なものは
①債権者が権利を行使できることを知った時から5年経過したとき
(権利行使できるってわかったらサッサとやれ5年)
又は
②債権者が権利を行使できるときから10年経過したときに、時効により消滅する
(気づかなくても債権行使は注意深くないといけない→出来るのに気づかなくても10年でダメ)
上記のどちらか一方でも到来したら、時効により、債権債務が消滅してしまいます。
上記は覚えておいてください。
☆☆☆他にも下記のようなものが出てきます☆☆☆
遺留分侵害額請求の知った時から1年とか
不法行為による損害賠償請求権(物損の際のの弁償)は、
①被害者又はその法定代理人が「損害」及び「加害者」を知った時から3年間行使しないとき
または、
②不法行為の時(物を壊されたとき)から20年間行使しないとき、時効によって消滅する
不法行為による損害賠償請求権(治療費等)は、
①権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき
または、
②権利行使できる時から20年間行使しないとき、時効によって消滅する
消滅時効の起算点
上記の権利行使できる時とは?
「いつから時効期間が進行し始めるか?」ということです。
これは債権の種類によって違いますが
「取り立てが出来るようになった時」というイメージで思い出せればよいでしょう。
時効の完成猶予・更新
ということで債権を取り立てをしないで放置していると
お金を返してもらえなくなるのでなんとかしなければいけません。
そこで出てくるのが、時効の完成猶予と更新でした。
時効の完成猶予→時効の完成が一定期間だけ猶予される(一時停止・ストップ)
要するに、一定期間内に時効期間が到来しても時効が完成しないということです。
例えば、10月15日に時効期間が満了するとします。
10月1日に、「10月15日になると時効完成して債権が消滅してしまう」と気づいて、
10月10日(=時効完成前)に、裁判上の請求(訴訟)等をすると、
時効完成が一定期間(裁判上の請求の場合は裁判が終わるまで)猶予されます。
つまり、裁判上の請求により、10月15日を過ぎたとしても、時効完成しなくなります。
時効完成が猶予となる場合
裁判上の請求(訴えの提起)・支払督促(裁判所でやるやつ)
強制執行・競売・仮差押え
催告(内容証明等の裁判外でやる請求)→催告をしてから6か月間は時効の完成は猶予されます。
催告をするだけでは、時効は更新されないので注意です!
協議を行う旨の合意
時効の更新
時効の更新は、経過した時効期間のカウントをゼロに戻す、再スタートさせること(リセット)です。
例えば、債権の消滅時効期間は、「権利行使できることを知ってから5年」または「権利行使できるときから10年」ですが
権利行使可能なことを知ってから4年経過後に、裁判で確定判決をもらうと、
これまで経過した4年がゼロにになり、また0から再スタートします。
時効の更新事由
〇裁判(確定判決)
裁判を起こすと、それにより時効完成が猶予されます。
この段階ではストップ(一時停止)です。
そして、その後、「訴訟を取り下げたり」、「裁判所に却下された」場合でも、
取り下げや却下されてから6ヶ月間は時効完成が猶予されます。
取り下げ等せず、無事裁判で勝訴して確定判決をもらえば、時効が更新されます
承認
債務者が債務があることを承認した場合、承認した時から新たに時効開始となります。
つまり、債務者が金を借りている認めれば中断します。
これは口頭で認めるだけで直ちに中断の効力が発生します。
あと、
〇利息の返済
〇一部弁済
〇返すのもう少し待ってと支払猶予
でも承認にあたります。
お金を借りていなければ利息払ったり、一部弁済もしないし、待ってくれとも言わないですからね。
あとは所有権は強い権利で
消滅時効にはかからないという点
誰かが、取得時効や、即時取得などによって所有権を取得しない限り、元の所有者の所有権は消えないのです。
覚えることが多い項目ですが民法の膨大な範囲の中でも出題されやすいので頑張りましょう!!
でわわ('ω')ノ